──それにしても壮絶すぎる人生を送っている女子がこんなに多数いるとは驚きです。
「ある地方都市で話を聞いた女の子は、母親の命令で小学校さえ通わせてもらっていませんでした。バスも電車にも乗ったことがないから、最寄り駅やバス停がわからないんですね。徒歩圏内と自宅しか社会を知らないんです。自分の名前を漢字で書くこともできない。母親に働いてみたいと直訴しても“小学校も出てないで字も書けない奴が働けるわけがないだろう!”って。完全な虐待です。
それで私のNPOにメールでSOSを送ってきたんですが、いざとなると一歩が踏み出せないんです。やはり、徒歩圏内と自宅のみで生きてきたから怖いんですね。それに彼女の人生をメチャメチャにしたはずの母親を恨むどころか、心配ばかりするんです。母親に認められたいという気持ちが強いんですね。話を聞いていて、切なくなってしまいました」
──イジメも社会問題化しています。
「やはり、私が話を聞いた女の子のケースですが、小学校から専門学校時代までずっとイジメられ続けていました。母親に相談しても見て見ぬふりだったそうです。中学校を卒業して、誰も行かないような高校へ進学して、ようやくイジメから逃げられるかと思ったら、女ボス的な存在の子に目を付けられて、やはりイジメのターゲットにされてしまいました。ひどいのは、高2の時、そのイジメの首謀者の罠で4人のヤンキー男たちにレイプされてしまうんです。それがきっかけで“自分は汚れてしまった”という罪の意識を未だに持ち続け、立ち直れていません。
この他にも妊娠したものの相手の男が逃げちゃったり、実の父親の子どもを2度も堕胎させられたりといった女の子が登場しますが、氷山の一角だと思っています。悩んでいる女の子たちには、絶対に死なないでと言いたいです。辛い気持ちは私たちが聞いて寄り添って、場合によっては行政につなげることもします。生きていれば楽しい時間もいっぱいあるということを知って欲しい。だからくれぐれも早まった行動だけはしないで欲しいですね」