──ベテランでいえば黒田(博樹)の存在も大きい。
北別府:いやね、黒田がメジャーに行った時、“何年で故障して帰ってくるんだろう”と心配していた。それぐらい、日本の投手はみんな故障して帰ってくるから。それでもローテーションを守り続けるのは凄い。
安仁屋:優勝には、黒田のような精神的な支柱が必要なんですよ。復帰1年目の昨年は黒田も新井も周りに気を遣っていたけど、2年目の今年は率先してチームを引っ張っている。(日米通算)200勝と2000本安打という個人記録もあった。性格なのか、新井はスッと達成したけど(笑い)、黒田は2試合足踏みしたね。
北別府:相当プレッシャーがあったでしょうね。黒田の後にリリーフに立つ選手は、“もう1点もやれない”とか、とんでもない緊張感になる。そういう意味では、チームの勢いがあったのがよかったですね。黒田も新井も若手に慕われていて、チームにいい影響を与えていますよ。
●あにや・そうはち/1944年、沖縄県生まれ。1964年に広島入団。広島に在籍した13年間で90勝をあげている。巨人戦に強く(通算34勝)、「巨人キラー」と呼ばれる。引退後は広島の一軍・二軍投手コーチ、二軍監督を歴任し、今年は春季キャンプで臨時投手コーチを務めた。
●たつかわ・みつお/1955年、広島県生まれ。1978年に広島入団。広島黄金時代の正捕手として活躍した。野村克也氏らが得意とした「ささやき戦術(打者にささやきかけ、集中力をそぐ戦術)」の使い手として有名。引退後は広島二軍監督を経て一軍監督を2年務めた。
●きたべっぷ・まなぶ/1957年、鹿児島県生まれ。1976年に広島入団。優れた制球力を武器に広島で213勝をあげる。最多勝2回、最優秀防御率1回のタイトルに輝き、沢村賞を2回受賞。コントロールのよさから「精密機械」と呼ばれた。引退後は広島の一軍投手コーチを務めた。
※週刊ポスト2016年8月19・26日号