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パートタイマーの選択 106万円以下かガンガン働くか

 はじめまして! こんにちは。ワタクシ、生活マネーウオッチャーの大上ミカと申します。“お得”という言葉が三度の飯の次くらいに大好きな、女子大生と男子高生の母(44才)でございます。以後お見知りおきを!

 さてさて、家族のため自分のためにと、日々“賢いお金の使い方研究”を続けてウン十年…。仕事というより半分趣味? ってくらい夢中なんですけど、いや、だってね、お金の問題って、調べても調べてもわからないことが次々出てくるんですよ。

 知らないうちに制度が変わっていたり、仕組みが複雑だったり…。“知っている人だけ得をする”システムになっていることが多いなと、つくづく感じています。で、実際に家族や友達から相談を受けた、“お金の悩みのホントのところ”を、私も勉強させてもらいながら、皆さんと一緒に解決していけたらと思っています。

◆10月から2か月分の稼ぎが消える人続出!?

 で、ですよ。最近、私の周りのパート主婦たちをザワつかせているのが、“106万円の壁問題”。今まで扶養控除の枠内は“130万円”だったのが、この10月から一気に24万円も下がるんですって。

 今より手取りが減るの? 人手不足で勤務時間は減らせないのに…といった不安や疑問を解決すべく、早速、社会保険労務士の和田雅彦さんに聞いてきました。

「パートやアルバイトでの稼ぎが月8万8000円(年間106万円)を超える人は、扶養から外れ、自分で年金や健康保険料などを納めることになります。これらの社会保険料は給料から天引きされるので、これまで月8万8000円の収入があった人は、1万3000円ほど、月の手取りが減る計算です」

 げげっ! けっこうガッツリ引かれるんですね。今、扶養枠を目いっぱい使い、年126万円ぐらい稼いでいる人なら、約18万3000円も保険料にとられてしまう計算になるって!? それって2か月分の稼ぎに近いじゃない!! これはきつい。どこかに抜け道はないものかしら?

「この法改正が適用されるのは、当面、501人以上の従業員(社会保険加入者)がいる会社で、1年以上週20時間以上勤務する人。該当しなければ、今までと同じです」

 よかった、うちは関係ない♪ と思った人、ハイ、注目! 今後、対象範囲は拡大する予定なので、今はセーフでもアウトになる可能性大。じゃあ、どう対策すればいいの?

「社会保険料は会社も負担しています。どうせコストをかけるなら、より一生懸命働く人を採用したいと考える企業や、逆に106万円以下で働く人しか雇いたくないという企業も出てくるでしょう。自分が求める働き方に合うパート先選びが大切になってきます」

 これから仕事を探すなら、目先の時給や条件だけじゃなく、パートに対する企業の姿勢にも注目しなきゃならないのね。ここでいったん整理すると、社会保険料を払いたくない場合は、106万円以下で働く。あるいは、とりあえず500人以下の企業で働く。この2つが選択肢になるわけね。

◆社会保険料を払えば年金が増やせるメリットも

 じゃあ、社会保険料を払って、長い時間がんがん働いた場合は、どんなメリットが?

「将来の自分の年金を増やせます。たとえ月々わずかなプラスでも、仮に20年受け取れば大きな差になるでしょう。また、自営業の妻など、年間約18万円の国民年金保険料を払っているなら、パート先で社会保険に加入した方が安いケースもあります。

 それに、パートで支払う社会保険料は厚生年金なので、国民年金だけより、将来受け取れる額が多くなるんです」

 なるほど。社会保険料は払った分、あとで多少は返ってくるわけね。となると、目先の手取りだけでなく、将来まで考えた上で働き方を見極めないと損することになるのか~。

 結論! 今の仕事が好き、職場環境がいいなど、働くことがイヤじゃなければ、社会保険料を払ってバリバリ働いた方が、年金が増えて後々お得に。

 仕事に本気で取り組めば、生きがいを感じられることも多いだろうし、収入も増える訳だから、自由に使えるお金や貯蓄も増えるわね。社会保険料を払って働くって選択肢、意外にアリかも!

文/大上ミカ

※女性セブン2016年8月25日号

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