本誌は東京商工リサーチの協力のもと、2015年度の全上場企業(3614社)の「平均年収ランキング」を作成した(以下、ベスト5)。
・1位/M&Aキャピタルパートナーズ(東京都・サービス業)/2253万円
・2位/GCAサヴィアン(東京都・サービス業)/2154万円
・3位/キーエンス(大阪府・電気機器)/1777万円
・4位/日本商業開発(大阪府・不動産業)/1741万円
・5位/ファナック(山梨県・電気機器)/1571万円
この結果を見ると、高収入のイメージが強かった企業が軒並み苦況に立たされているのだ。特に目立つのがテレビ局である。上位10位に入ったテレビ局は朝日放送(1498万円・7位)とTBSホールディングス(1491万円・8位)の2社のみ。2013年はトップ10の半数を占めていたのと比べると隔世の感がある。テレビ局の凋落を尻目に、躍進している企業もある。東京商工リサーチの坂田芳博・情報部課長が指摘する。
「今回のランキングの特徴は、一般的には知名度が高くない企業がトップ5を占めたこと。これらは、みな年収における業績連動部分の割合が大きい企業です」
代表格が、平均年収2000万円超えを果たし1位となったM&Aキャピタルパートナーズだ。岡山商科大学経営学部の長田貴仁教授が解説する。
「主に中小企業を取り扱うM&Aの仲介会社です。後継者不足に悩む中小企業を他企業とマッチングする事業が収益の柱です。経営者の高齢化に伴って、M&Aビジネスの需要が非常に高まっている」
2位のGCAサヴィアンもM&Aの仲介会社だ。
「こちらのクライアントは大企業中心で、過去には阪急と阪神の経営統合を担いました。M&A仲介というと日本では『ハゲタカ』のイメージが強いですが、M&Aキャピタルパートナーズ、GCAサヴィアンともに合併・買収後の経営のあり方、事業再建まで視野に入れて助言している良心的な企業です」(同前)