昔から目を離せない子供だったという
《明らかに発達障害だと言われたこともあった》
“うちの息子は普通の子とは少し違うのかもしれない”“目を離したらとんでもないことをするかも”──会見でも、「ここまでとは思わなかったですが、そういう危惧というのは常にあったような気がします」と話していたように、高畑は息子に絶えず胸騒ぎを覚えていた。
発達障害と言われたことも、高畑の脳裏から消えたことはなかったという。発達障害は脳機能の発達が関係する先天性の障害で、アスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障害などに分類される。診断される子供の数は年々増加し、文部科学省が約5万人の公立小中学校の生徒を対象に行った調査(2012年)では6.5%に発達障害の可能性があるという結果が出た。
「発達障害」という言葉が広く認知されていく一方で、“周囲との少しの違い=発達障害ではないか”という不安を抱く母親も増えているという。子育て問題に詳しいジャーナリストの石川結貴さんが言う。
「かつては、できない部分ではなくできる部分を評価するようにしていました。今は“普通でなければおかしい”という社会の圧力が強すぎて、子育てママたちからそうした余裕を奪っています。少しでも落ち着きがないと、“あの子変じゃない?”という空気になってしまう。当の本人とお母さんはそこまで気にしていなかったのに、周りの空気を感じて深刻になり、子供を縛り付けてしまうんです」
そうした思いが、“過保護”や“行きすぎた愛情”につながってしまうこともある。
「わが子を心配するあまりの行為ですが、それが子供の判断能力を奪ったり、成長を止めてしまうなどの悪影響を及ぼしてしまうことにもなりかねません。発達障害についての正しい知識を得るよりも前に言葉がひとり歩きしてしまっています。素人の勝手な思い込みで“あの子は発達障害かも”と安易に口に出してしまう社会、それを受けて“うちの子はもしかしたら…”と過剰に反応してしまう母親、こうした構造を問題視すべきです」(石川さん)
母と同じ芸能界に進んだ裕太容疑者は“天然キャラ”が人気となり、仕事が増えていく。
「空気が読めない、他の人が話していても構わず自分の話をする、共演する女優やタレントとの距離が近すぎる…天然の枠には収まらないほどの型破りキャラがバラエティーで受けていました」(裕太容疑者を知るテレビ局関係者)
しかし、そんな息子の評価も、母から見れば不安材料でしかなかったのかもしれない。
※女性セブン2016年9月15日号