国際情報

尖閣に侵入する中国漁民は武器を操る「海上民兵」だ

8月11日には尖閣沖で中国漁船が沈没。海保が乗組員6人を救助した(第11管区海上保安本部提供)

「尖閣諸島周辺での中国の一方的な行動は認められない」──岸田文雄外相の抗議に、のらりくらりと「東シナ海の情勢悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要だ」と返した王毅外相。

「情勢悪化を防ぐ」どころか、日中韓の外相会談が開かれた8月24日の前日にも、尖閣諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22km)を、中国海警局の公船4隻が悠然と航行していた。

 さらにその2日前にも、やはり延べ4隻の公船が領海に侵入している。

 調整が難航し、ようやくセットされた外相会談の直前に領海・接続水域への侵入を繰り返すとは傍若無人もいいところだが、見方を変えればそれだけ「尖閣は中国領」という主張が特別な機会を狙ったアピールではなく、“日常化”しているということである。

 放置すれば、日本の領土を奪われかねない非常に危うい事態だ。

 8月初旬に中国公船20隻以上、漁船400隻以上が尖閣周辺に押し寄せたことは大きな話題となったが、その後はオリンピック関連のニュースばかりが報じられ、尖閣周辺海域での緊迫した情報はほとんど伝えられなくなってしまった。

 海上保安庁の資料などをもとに、騒ぎとなった8月初旬から日中韓外相会談までの動きを検証しよう。

●8月7日 中国公船11隻と漁船15隻が相次いで領海侵入
●8月8日 中国公船4隻と漁船24隻が相次いで領海侵入
●8月9日 中国公船10隻と漁船25隻が相次いで領海侵入
●8月10~16日 接続水域で公船複数が航行・停泊を繰り返す
●8月17日 公船4隻が相次いで領海侵入
●8月19~20日 接続水域で公船3隻が航行
●8月21日 公船4隻が相次いで領海侵入
●8月23日 接続水域で公船4隻が航行

 テレビや新聞はこの事態を忘れてしまったようだが、切迫した状況が続いていることは明らかだ。1年前は、領海や接続水域に侵入する公船は一度に2~3隻だったが、ここに来て「4隻」ローテーションになっている。中国側の「尖閣を奪う」という明確な意思が伝わってくる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
水原一平受刑者の一連の賭博スキャンダルがアメリカでドラマ化(gettyimages /共同通信社)
《大谷翔平に新たな悩みのタネ》水原一平受刑者を題材とした米ドラマ、法的な問題はないのか 弁護士が解説する“日米の違い”
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
《時速180キロで暴走…》広末涼子の“2026年版カレンダー”は実現するのか “気が引けて”一度は制作を断念 最近はグループチャットに頻繁に“降臨”も
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
前橋市長選挙への立候補を表明する小川晶前市長(時事通信フォト)
〈支援者からのアツい期待に応えるために…〉“ラブホ通い詰め”小川晶氏の前橋市長返り咲きへの“ストーリーづくり”、小川氏が直撃に見せた“印象的な一瞬の表情”
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた新木優子と元Hey!Say!JUMPメンバーの中島裕翔
《20歳年上女優との交際中に…》中島裕翔、新木優子との共演直後に“肉食7連泊愛”の過去 その後に変化していた恋愛観
NEWSポストセブン
金を稼ぎたい、モテたい、強くなりたい…“関節技の鬼” 藤原組長が語る「個性を磨いた新日本道場の凄み」《長州力が不器用さを個性に変えられたワケ》
金を稼ぎたい、モテたい、強くなりたい…“関節技の鬼” 藤原組長が語る「個性を磨いた新日本道場の凄み」《長州力が不器用さを個性に変えられたワケ》
NEWSポストセブン
記者会見に臨んだ国分太一(時事通信フォト)
《長期間のビジネスホテル生活》国分太一の“孤独な戦い”を支えていた「妻との通話」「コンビニ徒歩30秒」
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(EPA=時事)
《“勝者と寝る”過激ゲームか》カメラ数台、USBメモリ、ジェルも押収…金髪美女インフルエンサー(26)が“性的コンテンツ制作”で逮捕されなかった背景【バリ島から国外追放】
NEWSポストセブン
「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン