◆宮司は「私もそう思う」
亀井氏も本誌報道に影響されたと明かす。
「私は以前からこの問題に関心があり、ポストの記事が出た後、徳川宮司に会って、『それでは、具体的に靖国合祀を呼びかけますよ』と話した。3年ほど前、徳川宮司に『賊軍が祀られてないのはおかしい』と尋ねると、『私もそう思う』と言われたことがあって以来、ずっと構想を練っていた」
靖国神社への「合祀申し入れ書」はすでに作成済みで、こんな文面となっている。
〈白虎隊や新選組、西郷南州(西郷隆盛)、江藤新平などの賊軍と称された方々も近代日本のために志をもっていたことは、勝者、敗者の別なく認められるべきで、これらの諸霊が靖国神社に祀られていないことは誠に残念極まりないことです〉
〈有史以来、日本人が育んできた魂の源流を今一度鑑み、未来に向けて憂いなき歴史を継いでいくためにも、靖国神社に過去の内戦においてお亡くなりになった全ての御霊を合祀願うよう申し出る次第です〉
亀井氏によると、今回の申し入れには、森喜朗氏や福田康夫氏ら首相経験者、二階俊博・自民党幹事長ら与党幹部、さらに、野党議員など70人を超える政治家の賛同を得ているという。
「山口(長州)出身の安倍首相にも申し入れ書は渡してある。政教分離の原則があるから、立場上『やれ』とは言えないだろうが……。多くの政治家に受け入れられているが、自民党の日本会議系議員の何人かは反対のようだ。彼らは皇国史観に立ち、『なぜ今さら賊軍を祀るのか』という考え方なので話にならない(苦笑)」
この10月初旬にも、亀井氏、森氏、そして民進党の原口一博・衆院議員の3氏が靖国神社に赴き、徳川宮司に文書を手渡す予定だ。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号