スポーツ

プロ野球CSを大人として10倍楽しく見る方法

CSを10倍楽しむ(写真:アフロ)

 日本シリーズ進出を賭けたクライマックス・シリーズ(CS)が始まる。どこのチームが駆け上がるが気になるのはもちろん、大人にとって大事なのは勝ち負けを超えて楽しむこと。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が「CSを大人として10倍楽しく見る方法」を伝授する。

 * * *
 セ・リーグもパ・リーグも、12日からクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージがスタートします。セはレギュラーシーズン3位のDeNAと首位の広島、パはレギュラーシーズン2位のソフトバンクと首位の日本ハムが激突。6試合制(首位のチームに1勝のアドバンテージ)で先に4勝したほうが、日本シリーズへの出場権を獲得します。

 プロ野球の話題は、なんだかんだ言って大人の定番でありたしなみ。ひと味違う大人を目指しつつ、CSを「10倍楽しく見る方法」を考えてみましょう。「あれ? どっかで聞いた言い回しだな」と思った方は、さすがよくご存じでいらっしゃる。エモやんこと江本孟紀氏が1982年に、プロ野球の内実を暴露した『プロ野球を10倍楽しく見る方法』という本を出版。大ベストセラーになって、映画化されたり続編が出まくったりしました。

 たぶん30代以下には馴染みが薄い言い回しなので、頭をプロ野球モードにする意味を込めつつ、随所で使ってみましょう。「企画書を10倍魅力的に見せる方法を教えてやる」とか「ホッピーを10倍おいしく飲む方法を知ってるか」とか。若い世代は新鮮味を感じ、中年世代はニヤリとしてくれるはず。どちらも、具体的な方法は各自でお考えください。

 話は戻ってCSですが、2007年にスタートして今年はちょうど10年目です。10年のうち、3位のチームが2位のチームを倒してファイナルステージに進出したのは、セが今年含めて4回で、パはなんと7回。ただ、さらにファイナルステージも制して、3位のチームが日本シリーズに進出したのは、2010年のロッテだけです。ちなみに2位のチームでは、2007年中日と2014年阪神が進出しました。

 もし今年DeNAが広島を倒して3位からの日本シリーズ進出を果たせば、CS史上2度目の快挙です。DeNAファンは「一度あることは二度ある」を合言葉にしつつ応援すれば、より盛り上がるに違いありません。セで2位以下のチームが進出という意味では「二度あることは三度ある」を合言葉にしてもいいでしょう。

 いっぽうの広島は、2013年、2014年(どちらも3位)に続いて3度目のCS出場ですが、過去2回とも日本シリーズ出場は逃しています。ファンは「三度目の正直」を合言葉に、熱い声援を送りましょう。「二度あることは三度ある」は論外ですが、うっかり「仏の顔も三度まで」を合言葉にしてしまのもタブー。三度目の今回は、DeNAの下剋上を寛大に許してもいいという意味になってしまいます。

 パは2位のチームが順当にファイナルステージに進んだ年は、今年を入れて3回しかありません。そして過去2回とも、1位のチームに負けています。2位からファイナルに進んだソフトバンクは、まさに「三度目の正直」を狙いたいところ。この場合は「仏の顔も三度まで」も間違いではありません。首位の日ハムのファンは、そんなケナゲな願いをけ散らす意味で「二度あることは三度ある」を合言葉にしましょう。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン