国際情報

尖閣諸島を襲う中国漁船に乗船する「海上民兵」の正体

日本政府は中国の魔手をどう防ぐか

 尖閣諸島周辺に、姿を現す中国漁船に国防関係者が警戒心を募らせている。そこには軍事訓練を積んだ海上民兵が乗船しているのだ。国防問題に精通するジャーナリスト・織田重明氏が、「海上民兵」の正体に迫った。

 * * *
 赤い中国旗を掲げた漁船が水平線の彼方まで蝟集するさまに戦慄を禁じ得ない。

 8月5日に尖閣諸島周辺の接続水域に現れた200~300隻にも上る中国漁船。その後、5日間にわたってこの海域にとどまり操業を続ける様子を、警戒にあたった海上保安庁の航空機がしっかりと映像に捉えていた。

「視界の及ぶ限り延々と中国漁船が浮かんでいました。この漁船団とともに最大で15隻もの中国海警局の公船が一体となって、日本の領海への侵入を繰り返していたのです。警戒にあたる巡視船の基本は、マンツーマンディフェンスですが、これほどの数だと、対応しきれません」(海上保安庁幹部)

 尖閣の海は、もはや一触即発の状況といっても過言ではない。現場からはさらに驚くべき動きが伝えられた。

「尖閣諸島周辺海域に押しかけた中国漁船に多数の海上民兵が乗船していたというのです。その数は100人を下らない。多くは漁船の船長として、乗組員である一般の漁民らを指揮していたと見られています」(同前)

 今回だけでなく、近年、尖閣周辺に入り込む中国漁船に海上民兵が乗船するのは、もはや日常の光景と化している。

「尖閣周辺の上空で毎日欠かさず警戒にあたる海上自衛隊の哨戒機P─3Cが捉えた中国漁船の写真には、海上民兵と思しき軍服を着た人物が乗り込み、船体には軍の識別番号、甲板には20mm連装機関銃を搭載した様子まで映っていた」(防衛省関係者)

 そもそも海上民兵とは、漁民や民間の船会社の船員などのうち、軍事的な訓練を施され、必要に応じて漁船などで軍の支援活動をする者たちをいう。漁業繁忙期には漁にいそしみ、漁閑期には国防を担うことで日当を政府からもらう、パートタイムの軍人というべきか。民兵(Min Bing)の略である、MBのワッペンや記章が付いた軍服を着て活動する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
【2・8総選挙「大阪1〜10区」の最新情勢】維新離党の前職が出た2区、維新前職vs自民元職vs野党候補の5区で「公明党票」はどう動くか
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
間違いだらけの議事録は「AIのせい」(写真提供/イメージマート)
《何でもAIに頼る人たち》会社員女性が告白「ケンカの後、彼から送られてきた”彼女の方が悪い”とAIが回答したスクショ」ほどなく破局
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト、2025年10月15日)
《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】 
NEWSポストセブン
ジェンダーレスモデルの井手上漠(23)
井手上漠(23)が港区・六本木のラウンジ店に出勤して「役作り」の現在…事務所が明かしたプロ意識と切り開く新境地
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン