ライフ

地味というより本当にスゴイ!校閲さんの実際のお仕事

すごい校閲さんの仕事(写真:アフロ)

 石原さとみ主演のドラマ「地味にスゴイ! 校閲ガール」(日本テレビ系、水曜夜10時)が話題を呼んでいる。活字メディアに関わる者なら誰しもお世話になる「校閲さん」の仕事はどんなにスゴイのか。フリーライターの神田憲行氏が取材した。

 * * *
 ドラマは初回放送で「リアリティがない」と反発もあったみたいだが、出版界の末席を汚す者として、校閲さんの仕事にスポットが当たるのは素直に嬉しい。そこで私たちが実際に経験した校閲さんたちの「スゴイ!」話をお届けしよう。こちらはリアリティ100%である。

 その前に校閲さんの仕事を改めて説明する。例えば私のようなライターが原稿を書いて担当編集者に送る。編集者が内容をチェックして大きな問題が無ければ、「ゲラ」と呼ばれる試し刷りに回される。校閲さんが登場するのはこのゲラからだ。

 校閲さんの仕事は大きく分けて「朱入れ」と「鉛筆」がある。「朱入れ」は固有名詞の間違いなど、絶対に訂正しなければならないもの。「鉛筆」は筆者や編集部の判断を促すもの。たとえばひとつの段落に「神田憲行」という言葉が何回も出てくるとする。日本語として間違いでは無いし、意味も通るのだが同じ言葉が出てくるのは読んでいてクドい。そこで校閲さんが「神田憲行」のところに鉛筆で丸く囲い「彼orライター?」と指摘してくるのである。「彼」か「ライター」という言葉に置き換えませんか?という意味である。またデータを一から調べ直してくれる方もいる。

「特に舌を巻いたのが、200社以上の上場企業の決算特集をやったときのこと。決算短信に目を通してくれて細かい間違いを指摘してくれました。その忍耐強さと知識量には頭が下がります」(週刊誌40代デスク)

「ある歴史資料について記事を書いたとき、校閲さんから『他の資料にはこうあるが、原稿通りで間違いないか』という指摘を受けました。結果的にはこちらの原稿で正しかったのですが、良く調べてくるなあと感心しました」(ブロック紙40代記者)

 某全国紙には一流大学の理学部を卒業した校閲記者がいた。オウム事件のときには「間違いなく自分でサリンが作れる知識を持つ」と噂され、その分野の校閲担当者として活躍したとか。

「うちの新聞では大学入試のシーズンになると、入試問題とその模範解答を紙面で紹介します。解答は有名予備校の先生に依頼して作成するんですが、京都大学入試の化学の模範解答を見て彼が『答え、間違ってます』と言い出して大騒ぎになりました。念のため先生に解き直ししてもらったら、やはり間違っていたことがわかりました」(50代全国紙記者)

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
新キャストとして登場して存在感を放つ妻夫木聡(時事通信フォト)
『あんぱん』で朝ドラ初出演・妻夫木聡は今田美桜の“兄貴分” 宝くじCMから始まった絆、プライベートで食事も
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン