乳がんで右乳房を全摘出した生稲晃子(48才)は、娘には病状まで隠さず話していたが、それによって「娘がトラウマを負ったかもしれない」との思いに苛まれた。
最初に発病した時、娘は5才。迷ったが、「この子は理解できる」とすべてを話した。その時「ママが死ぬのは嫌!」と泣いた娘。だが、再発を伝えたときは、表情に出さず、一切泣かなかった。
「治療中の5年を振り返ると、あの子の中でもいろいろ葛藤があったのではないかと申し訳ない気持ちになります。一度、再発して弱気になっているときに『ママ、死んじゃうかもしれない』と、言ってはいけないことを言ってしまいました。
その時、娘が『その話はやめて』と言ったんです。今になってそのときのことを聞いても、『忘れた』『覚えていない』と言って話さないんです。本心かどうかわかりませんが、もしかしたら、娘はつらくて嫌な思いをすべて自分の心の中にしまい込んでいるのかもしれない。かわいそうなことをしてしまった」(生稲)
野澤さんはこうアドバイスする。
「子供は、病気や脱毛自体には驚き、戸惑うけれど、お母さんの態度や表情が自分に対して変わっていないとわかると、安心します。むしろなんらかの形で、親の治療に貢献したり一緒に闘ったりした気持ちを持てた方が、子供にとっていいと思います。
ただ、やみくもに何でも話すのではなく、たとえば受験直前は避けるなど、タイミングを見はからったり、その子の年齢や性格に合った話し方をすることが大事です」
※女性セブン2016年10月27日号