長期的な「隆起・沈降」で見ても、同ゾーンには懸念がある。駿河湾付近の沈降範囲が拡大を続けており、隆起傾向にある周辺地域との歪みが大きくなっている。他にも、伊豆諸島は大島、三宅島が隆起する一方、八丈島が沈降し、境目で歪みが蓄積されていると考えられるという。
さらに、「水平方向の動き」でも、千葉県北部の干潟と南部の館山の間で歪みが広がっている。加えて、伊豆半島南部、伊豆諸島の大島、新島、八丈島で周辺と異なる動きが見られる。
「我々が分析している3つの指標の全てで異常が起こり始めていることから、この地域の警戒を強めています。特に注目しているのが伊豆諸島です。多くの人は首都直下型地震を心配しますが、どこで地震が起きても、地盤の緩い都心部は大きく揺れる。
実際、一昨年5月に起きた伊豆大島近海地震で、震源に近い大島では震度2の弱い揺れでしたが、東京の千代田区では震度5弱の大きな揺れが観測されています」(村井氏)
そのため、前述のメールマガジンの最新号(10月26日配信)でも、全国で唯一、首都圏を含む「南関東」エリアは最高警戒レベル5の〈震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある〉地域に位置付けられている。
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※週刊ポスト2016年11月11日号