スポーツ

“野獣妻”松本薫選手 オンオフスイッチ恐るべし

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は結婚会見を開いた“野獣”こと、柔道の松本薫選手に注目。

 * * *
 リオ五輪柔道女子57キロ級銅メダリストの松本薫選手が、幸せいっぱいの笑顔を見せて結婚会見を開いた。8年間交際してきたという彼は和食の料理人。鼻が高く鳥に似ていると自筆の似顔絵を、はにかみながら披露した。

 さわやかで気が優しく、芯が強いという彼は、松本選手が“野獣”と言われていることに対して「納得している」という。ロンドン五輪の時につけられた野獣の愛称は、あっという間に定着したけれど、本人は反発し、一時は「もののけ姫」と呼んでほしいと主張したこともあったらしい。

「子供ができたらママでも野獣。できなければ妻でも野獣」と東京五輪を目指す覚悟を、野獣という言葉で表現した松本選手。彼女にとって、野獣は柔道家としての姿なのだろう。

 手を後ろに回し、何度も軽く頭を下げながら、歩幅も狭く、ゆっくりと会見場に入ってきた松本選手。普段も決して女性らしい立ち居振る舞いとは言えないが、柔道の時とは、醸し出す雰囲気だけでなく、手の振り方や歩き方からして明らかに違う。

 試合に向かっている時は、猪突猛進、戦闘モード。頭から突っ込んでいくようにおでこを前に突き出し、にらみを利かせながら、両手を大きく振り、歩幅も広く足を投げ出すように歩く。

 戦闘モードでは表情も違う。眼光が鋭い上に、眉間に緊張感が表れているのだ。眉根を寄せているわけではないが、目に力が入っている分、眉間だけでなく、目と眉の間がわずかに狭くなっているように見える。これが松本選手の目付きにさらに凄みを与え、野獣という印象を強めているのだろう。

 結婚会見でマイクを手にした松本選手の顔は、目と眉の間が広がり、眉間にも緊張感はない。記者からの質問に答えながら、時折、鼻の頭や鼻の下をスッと指で触るのは、照れている証拠。何らかの感情が動き「質問にどう答えたらいいのだろう?」と一瞬、戸惑った時は、気持ちを落ち着かせようとするのか、前髪に触る仕草も見られる。

 明るく屈託なく開けっぴろげに笑う顔も、照れながら頬を持ち上げ、白い歯を見せて笑う顔も、なんとも自然でかわいらしい。ちょっと不思議な発言もはにかんだような笑顔で言われると、なんだか憎めない。これが柔道や試合の話しになった途端、笑顔が消え、真剣な表情を見せる。そんなギャップが、彼女の魅力でもある。

 試合の1か月前になったら「女を捨てる」と、過去のインタビューで答えている松本選手は、試合に向けて自分を追い込み野獣化する。

 会見でも「試合前は30センチ隙間をあけて触れない」と彼との暗黙のルールを、膝の横に手を伸ばし空間を作って示した。この身体の周囲30センチは、松本選手の「密接距離」。

 これはパーソナルスペースという自分の周囲の心理的テリトリーのこと。アメリカの文化人類学者、エドワード・ホールが示したもので、相手との関係によって、どこまで自分に近づくことを許せるかという距離感のことだ。

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン