中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は社説で、ドナルド・トランプ氏が大方の予想を裏切って当選した米大統領選について言及。「これは『政治的な造反』である、米国の『文化大革命』だと言う人もいる」などとして、米大統領選でサプライズが現実化したことの衝撃の大きさを中国の政治的な大動乱である「文化大革命」と表現した。
同紙の社説は、「米国の『文化大革命だ』」としたうえで、「誇張表現だが米国政治の一側面を表している」と指摘。米中関係の焦点が「地政学上の争いから経済利益の衝突へと変わるかもしれない」と予測している。
これに関連して、ネット上の書き込みでは、「今回の大統領選挙は、中国からみれば、まさに面白い映画のようなものだった。選挙期間中、アメリカが分裂し、国内の争いが絶えず、もはや今後は破滅していくさまがリアルに見えてきた。これからは中国の時代だ」という河南省鄭州市在住の読者の声もある。
また、トランプ氏については「世界でも最も成功した人生の勝者だ。本人は富豪の2代目で、貧しい生活をしたことがないが、自らもコツコツと努力して数億ドルを稼いだ。3回も結婚し、美人の妻を持ち、きれいな娘と可愛い息子がいる。さらに、世界でもっとも発達した国の大統領となるなど、これ以上ないほどのラッキーな人物だ」との黒竜江省チチハル市在住の読者の書き込みが紹介されている。
一方、敗れたヒラリー・クリントン氏については、「ヒラリーの疑惑については徹底的に調査して、逮捕してしまえ」との広東省仏山市の読者の声が書き込まれている。
中国人にとって、アメリカンドリームの実現を主張するトランプ氏は「中国の夢」を呼びかける習近平国家主席とオーバーラップしているようで、それなりに共感の声が寄せられている。一方、ヒラリー氏の場合、日ごろの中国に対する姿勢が厳しいことから、中国の人々にとって好感度は低いようだ。