スポーツ

川淵三郎氏 バスケのチェアマン就任要請に「俺しかいない」

日本バスケットボール協会エグゼクティブアドバイザーの川淵三郎氏

 国内63万人の登録競技者人口を誇るバスケットボールは、長らく統一リーグ誕生が待ち望まれていた。だが、実業団が中心だったNBLと、地域主体のプロリーグとして発足したbjリーグ、両者の軋轢は深まるばかりで、国際バスケット連盟(FIBA)から五輪予選への出場権まで剥奪された。

 ここで白羽の矢が立ったのが川淵三郎だ。結論からいえば未曾有の混迷を半年で解決し、今年9月のBリーグ開幕に結びつけた。この難事業を切り抜けた、川淵氏いわく「独裁力」の真髄にノンフィクションライター・中村計氏が迫る。

 * * *
 会うなり、サッカー日本代表に対する「愚痴」から始まった。

「今、サッカーを雑誌で特集しても、あんまり売れないらしいね。本田(圭佑)、香川(真司)に次ぐ、スターが出てこないからね……」

 続いて、監督のハリルホジッチの采配に対しても、チクリとやる。ただ、その口調に陰湿さはなく、カラリとしている。そういう形で常に情熱を放出していないと、体温調整がうまくできないのかもしれない。

 Jリーグの生みの親といっていいだろう、日本サッカー協会の元会長である川淵三郎を評するとき、二言目に出てくるのは「独裁」という言葉だ。週刊誌報道等で、そう叩かれたことも一度や二度ではない。

 独裁と言えば、渡邉恒雄(読売新聞グループ本社代表取締役主筆)、石原慎太郎(元東京都知事)、橋下徹(前大阪市長)などの名前が真っ先に浮かぶが、それらの人物と川淵の印象は少し異なる気がする。「似合わない?」と笑う川淵に、独裁という響きから連想される威圧感は、ほとんどと言っていいほど感じられなかった。

「でもバスケットボールのときは、ほとんど独裁だったね。10人中10人が反対しても、こうしない限りは成功しないと思ったら、突っぱねた」

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト