国内

創価学会が急変革 来夏の都議選で結束力を示せるか

変革の効果はいかに(創価学会のHPより)

 公称827万世帯を信者に抱え、国政選挙にも大きな影響を与える宗教団体・創価学会に変化が起きている。会則を改訂し、創価学会を「仏の存在」と定め、カリスマ的存在である池田大作・名誉会長の敬称を「会長」から「先生」に変更した。「ポスト池田体制」確立に向けた動きが加速していると見られる。

 学会員には創価学会を支持母体とする公明党の選挙を支える役割もあるが、「その選挙にも不安を抱えている」(宗教学者の島田裕巳氏)という。創価学会は高度成長期の70年代初頭までに爆発的に会員数を増やし、現在の巨大組織の基盤を形成した。

「現在、そのコアとなる層はかなり高齢化しています。この世代には近年、安保法制や原発再稼働といった政策で連立を組む自民党に同調するばかりの公明党の方向性に疑問を持ち選挙で“寝る”(積極的に参加しなくなること)ような学会員も増えている。

 一方で若い世代は、『親が学会員だったから入会した』という人が多く、上の世代に比べて、教義や創価学会の辿ってきた歴史への理解や忠誠心が強くない。そうした点が政治的に組織の影響力を示すうえで大きな悩みとなっている」

 創価学会が「重要な選挙」として見据えているのが、来年7月に予定される都議選だ。学会にとって都議選は特別な意味を持つ。

「創価学会の宗教法人としての草創期、監督する所管庁は東京都だった。そのため、所轄庁に一定の影響力を保持したい創価学会は伝統的に都議選を重要視してきました。その力の入れようは、国政選挙と同等かそれ以上とも言われており、公明党にとって負けることのできない選挙といえる」

 改訂は今後の選挙に向けて、学会員をひとつにまとめようという狙いもあるのだろうか。「ただし」と島田氏が指摘する。

「ポスト池田体制の確立は決して簡単ではない。池田氏の体調によっては、この先、様々な節目に池田氏の名前で発表してきたメッセージが出せなくなることも予想されます。原田稔会長をはじめとする現上層部は組織の結束を図るためにさらなる『独自色』を打ち出していくことになるかもしれません」

※週刊ポスト2016年11月25日号

関連記事

トピックス

「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
人の出入りが多く流行っていたという火災があったサウナ店
《夫婦が閉じ込められ…》月額39万円の高級サウナ店での火災でサウナーたちに広がる不安 彼らはなぜ\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"避難シミュレーション\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"を議論するのか
NEWSポストセブン
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン