「市民球場でのラストゲーム(2008年9月28日)の2日前から、絶対にホームランを打ちたいと思っていました。5回、相手投手の2球目、野球人生で初めて狙って打ったホームランでした。一方のマツダスタジアムの方はたまたま入っただけ。左中間スタンドの椅子は赤一色なのですが、僕の打球が当たった椅子だけ緑になった。歴史に名を残しています(笑い)」
念願のWBCにも出場した。2009年3月、侍ジャパンの村田修一が怪我をしたため、急遽アメリカに飛び準決勝から参戦することになった。
「チームに貢献はできませんでしたが、原辰徳監督がミーティングで“お前さんたち”という言葉を本当に使った時は武者震いしました(笑い)。国を背負ってプレーすることの緊張感と責任感は良い経験になりました」
今後は、経験の全てを若手育成に還元していくという。
【プロフィール】くりはら・けんた/1982年山形県生まれ。2000年、日大山形高からドラフト3位で広島に入団。2016年に移籍。ベストナイン1回、ゴールデングラブ賞3回。通算成績は3695打数1082安打、打率.293、打点586、本塁打153。
撮影■西田航
※週刊ポスト2016年12月2日号