ライフ

93歳・佐藤愛子氏 自著が売れて「それじゃ日本は滅びます」

エッセーがベストセラーとなっている佐藤愛子氏

〈卒寿? ナニがめでてえ!〉と言い放ち、体のあちこちの故障を嘆き、スマホの普及に怒り、子供の立てる騒音を嫌う人たちを叱る──作家・佐藤愛子氏の痛快なエッセイ『九十歳。何がめでたい』が多くの読者の共感を呼び、ベストセラーとなっている。11月に93歳となった佐藤氏は、この現象をどう受け止めたか。

 * * *
 こんなものが読まれるようじゃ日本は滅びるんじゃないかと思いますよ(笑い)。

 だけど、「みんなが言いたいと思っていたことを言ってくれた」という声を聞いたりしますと、「そうか、そう思ってたのか」と、それは新しい発見でしたね。

 私自身は、へんてこなことを言って、顰蹙する人は多いだろうと思いながら書いていたわけです。大体、人様にものを教えることはできない人間なので。その自覚があるから、変なやつが変なことを言ってるわ、って読み捨ててもらうのが理想で、私が書いたことに、いちいち難しい感想を持たれても困ります(笑い)。

 私がこう思う、と書いても、そう思わない人はいくらでもいます。それで結構、と昔から思ってますので、「そんなふうに強く生きるにはどうすればいいのか」なんて聞かれると困っちゃうんですよ。

 ただ、この本の中で、自分が一番強く感じ、読者も心を留めてくれるかなと思ったけど、あれが面白かった、ここがよかった、といろいろな話を聞くなかで、誰ひとり何も言わなかったところがあるんです。

 小学生の男の子がサッカーボールを蹴って、通りがかったオートバイのおじいさんに当たりそうになった。おじいさんがよけようとして転倒、骨折して入院し、一年以上たって肺炎で亡くなったら、遺族が裁判を起こして賠償金を請求したことがありましたね。

 司法も味方して一審二審は両親に賠償を命じたので、いよいよ裁判官までおかしくなった、と書いた章です(※その後、最高裁は訴えを棄却)。

 不幸なことが起きたときに、あきらめたり、忘れたりして人間は成長します。

関連キーワード

関連記事

トピックス

候補者選びの段階から大揉めに揉めた富山1区
【衆院選注目選挙区ルポ・富山1区】“自民分裂”の候補者選考で選ばれた小野田紀美氏の補佐官・中田宏氏 雪のなかで語った選挙への手応え
NEWSポストセブン
東京・30区、自民党の長島昭久氏に道路交通法違反疑惑(右は高市氏、長島氏のHPより)
「選挙カーがT字路の真ん中に駐車」自民党・長島昭久議員に“道交法違反”疑惑、事務所が回答「お手洗いのために車から離れることに」「法令遵守を徹底します」
NEWSポストセブン
中村獅童と竹内結子さん(時事通信フォト)
《一日として忘れたことはありません》中村獅童、歌舞伎役者にならなかった「竹内結子さんとの愛息」への想い【博多座で親子共演】
NEWSポストセブン
週末にA子さんのマンションに通う垂秀夫氏
垂秀夫・前駐中国大使が中国出身女性と“二重生活”疑惑 女性は「ただの友達」と説明も、子供を含む3ショット写真が本物であることは否定せず 現役外交官時代からの関係か
週刊ポスト
青木淳子被告(66)が日記に綴っていたという齋藤受刑者(52)との夜の情事を語ったのはなぜなのか
《不倫情事日記を法廷で読み上げ》「今日は恥ずかしいです」共謀男性社長(52)との愛人関係をあえて主張した青木淳子被告(66)が見せていた“羞恥の表情”【住職練炭殺人・懲役25年】
NEWSポストセブン
強盗の現場付近を捜査する職員ら(時事通信)
《上野4億円強奪》背後に浮かぶ「金密輸」と「香港のマフィア組織」…裏社会ジャーナリストが明かす「マネーロンダリング」のリアル
週刊ポスト
六代目山口組の司忍組長も流出の被害にあった過去が(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長の誕生日会》かつては「ご祝儀1億円」の時代も…元“極道の妻”が語る代替わりのXデー 
初期のがんを患い仕事をセーブしたこともあったが、いまは克服した黒田氏 (時事通信フォト)
《独占キャッチ》宮内庁新長官が発表していた“異色の小説”の中身 大人の恋愛を描いた作中には凄惨なシーンや男性優位の視点も 
女性セブン
鵠祥堂の代表・齋藤受刑者(右)と役員・青木被告が共謀した(Xより)
〈ベットで抱き合って、お尻にキス〉住職を練炭で殺害した青木淳子被告(66)が共謀の会社代表男性(52)との“不倫情事日記”を法廷で読み上げた“意外なワケ”【懲役25年】
NEWSポストセブン
ドイツ女子ボブスレー代表選手のリザ(インスタグラムより)
【ミラノ五輪の裏事情】「遠征費のために…」女子金メダリストが“ポルノ”SNSで資金調達で波紋「同ケース相次ぐ」 
NEWSポストセブン
2025年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん( Instagramより)
渡邊渚さんが綴る「ベッド」の思い出 病床の暗い記憶よりも先に浮かんだ幼少期の「エコロジー桃太郎」の長編創作ストーリー そこにはやわらかく小さいな光が
NEWSポストセブン
大谷の2026年シーズンが始まった(時事通信/Aflo)
《半袖&短パンでエグい二の腕があらわに》大谷翔平が自主トレ初日に見せたムキムキボディー、注目される“真美子さんのアリゾナ入り”…メジャーでは「家族と共にキャンプイン」も一般的
NEWSポストセブン