スポーツ

どこよりも早い「2018年の箱根駅伝」大展望

2018年の箱根を制するのはどの大学か

 1月3日、大手町読売新聞本社前に走者が帰ってきたところで、多くのファンにとっての箱根駅伝は幕を下ろす。だが、大学駅伝シーズンを通して最新情報を本誌でレポートしてきた「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武司氏はこういう。「これは終わりではなく、始まりですよ」──。すでに2018年の箱根駅伝は始まっているというのだ。西本氏による前代未聞の「1年先のレースの見どころレポート」を掲載する。

 * * *
 週刊ポスト編集部から、無茶な依頼がきた。「2018年の箱根駅伝」の見どころを予測しろというのだ。率直に状況を述べると、本稿締切時点では2017年の箱根駅伝すら終わっていない。つまり“2つ先の大会の見どころを教えてくれ”という依頼なのである。

 普通なら断わる。だが、私たちはやる。なぜなら毎年の箱根駅伝を本気で楽しむために、私と相棒の“マニアさん”は、高校生、中学生ら「未来の箱根選手」のチェックを欠かさない。さらにいえば、実業団に進んだ「箱根選手の未来」も見続けている。本番の2日間以外の363日も、箱根駅伝を楽しむ術はたくさんあるのだ。

 私の手元に一枚の写真がある。1年前(2016年)の箱根駅伝で、マニアさんが撮影した写真だ。沿道から檄を飛ばす青学大の瀧さん(瀧川大地・コーチ)の隣に、当時、流通経済大付柏高3年だった鈴木塁人の姿がある。

 駅伝ファンに詳しい説明は不要だろうが、その3か月後に鈴木は青学大に進学、“怪物ルーキー”として注目を浴びた。入学直後の2016年5月の関東インカレ5000mでいきなり13分58秒の自己新で3位。主力に数えられるようになった。マニアさんの写真からは、鈴木が大学入学前から活躍を期待される選手だったことが読み取れる。こうして「高3の有力選手」をチェックするのは箱根ファンの嗜みの一つだ。

 2016~17年シーズンの東海大「黄金ルーキー軍団」の例はわかりやすい。2015年12月の都大路(全国高校駅伝)でエース区間1区の上位6人中5人が、東海大に進学したのである。

 区間賞の關颯人(佐久長聖高)、2位・羽生拓矢(八千代松陰高)、4位・鬼塚翔太(大牟田高)5位・阪口竜平(洛南高)、6位・館澤亨次(埼玉栄高)──これだけのメンバーが揃えば、「東海大はこれから楽しみ」と思うのが自然だ。実際、2016年の出雲では序盤3区間を鬼塚、館澤、關が走り、一時首位に立った。

 では、今春卒業の高3の進学先はどうなるか。進学する高校生で最速タイム13分50秒を持つ吉田圭太(世羅高)は青学大へ進む。世羅高は原晋・監督の母校で、初優勝時の主将・藤川拓也(現・中国電力)ら出身者が多いのでうなずける。

 東海大に名取燎太(佐久長聖高)が進むのも納得だ。両角速・監督は2011年まで佐久長聖高を率いた指導者だ。村澤明伸(現・日清食品グループ)や關(1年)ら「佐久長聖→東海大」の選手も数多くいる。

 ただ、興味深いのは昨シーズンと違って注目選手の進路に偏りがないことだ。青学大、東洋大、駒澤大、明治大を中心に散らばり、この4大学が「未来の4強」という想像が膨らむ。

関連記事

トピックス

“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン