よく見れば、あっちでもこっちでも「タロウ」が奮闘中だ。そんな中、突如、立候補(?)を表明したのが、中井貴一の「クリーンデンタロウ」である。「演説篇」CMの中井貴一はきっちりとしたスーツにビシッとした横分けで清潔感抜群。選挙カーを走らせて、町々を巡り、「私たちの口に中は危機にさらされている!」と演説を続けるクリーンデンタロウ。ひとりひとりの手をとって、下がっていく歯茎や出血を「気になりますよね」、「見て見ぬふりですか」などと話しかける。見ている視聴者もついつい「その通り」と支持してしまう力強さだ。

 驚いたことにというべきか、当然というべきか、クリーンデンタロウにはしっかりしたプロフィールがある。それによると、本名は「栗林伝太朗」。1961年9月18日生まれのA型で、座右の銘は「清潔」。好きな言葉は「本気」だという。歯科医の母と歯科技工士の父を持ち、歯周病の予防運動に身を捧げる覚悟なのである。

 ニュース番組がクリーンデンタロウに密着した設定の「密着篇」では、「10種の薬用成分」「クセになるすっきり感」など5つのマニュフェストを掲げるクリーンデンタロウをレポーターを追いかける。すると彼は「あなた歯茎大丈夫?」とレポーターの口の中まで心配までするのだった。

「まじめな顔でまじめなことを言ってるのに、なぜか面白い」というのは、中井貴一の得意技。まだまだやってくれそうだ。ただ気になるのは、彼の呼び名は常に「クリーンデンタロウさん」と呼ばないと何かに違反するんでしょうか。デンタロウさんじゃダメなの?

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