国内

山口組と会津小鉄会 血塗られた50余年史

山口組と会津小鉄会の「血塗られた50余年史」

 山口組分裂後、六代目側と神戸側はそれぞれ全国の他団体との連携や取り込みを競い合う状態が続いてきた。会津小鉄会(平成11年までの名称は「会津小鉄」)もそのひとつであるが、山口組にとってその名前の“重み”は特別だ。理由は山口組と会津小鉄会の“因縁”の深さにある。

 会津小鉄会の歴史は山口組よりも古い。幕末、京都の治安維持を目指す「京都守護職」を務めた会津藩の武家奉公人だった上坂仙吉は、「会津の小鉄」の異名を取る有名博徒だった。やがて博徒組織として、京都における一大勢力となった。

 山口組との関係は、三代目山口組の田岡一雄組長の時代に始まる。

 昭和30年代、京都は会津小鉄会が二代で途絶え、図越利一(ずこしりいち)会長率いる中島連合会が牛耳っていた。そこに勢力を拡大中の山口組が侵攻。昭和39年には京都一の繁華街である木屋町で双方が激突し、多数の死傷者を出した(木屋町事件)。暴力団事情に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。

「事件後、田岡三代目と図越会長との間で手打ちが行なわれました。その席で、田岡三代目が“山口組は京都の繁華街には新たに進出しない”と確約したと言われています。この時の手腕などを評価された図越会長は周囲から懇願を受け、会津小鉄会の三代目会長を継承。名跡を復活させることになるのです」

 以後、山口組の抗争史に会津小鉄会の名は頻出することになる。

 昭和59年に勃発した山口組の内部抗争「山一抗争」(*)は死者25人、負傷者は一般市民も含め約70人にのぼった。その終結にあたって稲川会の稲川聖城会長とともに、山口組と一和会の間に入る仲裁役を務めたのが、会津小鉄会の高山登久太郎総裁代行(のちの四代目会長)だった。

【*昭和59年8月、竹中正久若頭の四代目山口組組長就任に反対する山本広組長代行らが、「一和会」を結成し分裂。平成元年3月までの約5年間、双方の間で大小300以上の抗争事件が勃発した】

関連記事

トピックス

長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン