国内

トランプ砲vs黒田バズーカ 黒田総裁はお疲れ気味?

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、日銀・黒田総裁の心理状態を分析。

 * * *
 先月末、“トランプ砲”が日本の為替政策にめがけて炸裂した。日本を円安誘導していると批判したのだ。安倍首相は、「批判は当たらない、適切な金融政策は日銀に委ねている」と発言した。

 その日本銀行総裁は、“黒田バズーカ”で知られた黒田東彦氏だ。異次元の金融緩和を行い、市場の意表をつく“黒田バズーカ”を放って2%の物価安定目標に向かっていたが、思ったように物価は上昇せず、今や空砲だったのかと皮肉られている。

 そこに“トランプ砲”が被弾。“黒田バズーカ”による大規模な金融緩和が、円安誘導の原因の可能性ではないかと衆院予算委員会で指摘されると、眉間にシワを寄せ、口をへの字にして固い不満気な表情で「物価安定のため」と説明した黒田総裁。

“トランプ砲”を迎え撃つ日本の金融政策の要、日銀の黒田総裁はトランプ新政権についてどう考えていたのか? 金融決定会合後の会見から、黒田総裁の心の内を見てみようと思う。

 黒田総裁は、ちょっとタヌキっぽい顔にメガネをかけている。目つきは鋭く、じろりとにらんだ様子は気難しそうで怖い。七三に分けてなでつけた髪と黒っぽいスーツも、どこか重く冷徹な印象を与える。会見中は、面倒な質問に大きく舌打ちをして答えたりもしたが、笑いだしたら、身体をのけぞらせるように大笑いするほど表情は豊かだ。

 この会見、やはりトランプ新政権が今後、リスク要因になるかどうかが注目された。

 トランプ新政権について話し始めると、黒田総裁は口をへの字にしならがら「具体的な政策がはっきりしていない」とあごを何度かなでた。そして「どのくらい下方、上方リスクになるか」と言いながら、再びあごをなでたのだ。これは考え中の時によく見られる仕草の1つだ。ロダンの“考える人”でおなじみのポーズでもある。

 トランプ新政権に対する黒田総裁のスタンスは、この仕草に表れている通りだ。今は動きを見て考えているが、まだ判断も決断もできない。その後も、「新政権の動きに注意する」と答えただけだった。

 だが「トランプ新政権の米国第一主義の保護主義的な政策が、世界経済を縮小・減速させるのでは?」と問われると、「世界的には広がらない」と身体を前後させた。

 人はストレスを感じると、そのストレスを緩和させるために、無意識に身体を動かすことは広く知られている。身体の揺れや上半身の動きは、肯定的であれば縦方向、つまり前後か上下、否定的であれば左右の横方向に動きやすいと言われる。

 前後に身体を揺らしたということは、黒田総裁はトランプ政権の保護主義的政策に対するストレスは強いが、言葉通り、それが世界的に広がらないと考えているのだろう。

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン