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「わら人形呪い」で逮捕や名誉毀損に問われる境界線

「呪い」で逮捕されることも

 1月25日、群馬県で「好意を持っていた女性をわら人形で脅した」として無職の男(51才)が脅迫容疑で逮捕された。

 あなたにも1人や2人呪いたい人もいるかもしれない。しかし、その是非は横に置くとしても、今回のように逮捕されては元も子もない。その境界はどこにあるのか。弁護士の落合洋司さんが解説する。

「今回のケースは脅迫罪。女性が経営するゲームセンターの敷地に、釘が打たれたわら人形を置き、相手に“お前もこんな目に遭わせる”というメッセージを伝え、脅迫した。この“脅迫罪”は、口で言うだけでなく、写真を送るとかインターネット上に『殺すぞ』といった書き込みをすることも含まれます。脅迫罪は刑法では2年以下の懲役、または30万円以下の罰金が定められています。

 ですから、相手にわからない状態で、ただ人形を持っていたり、人知れず家や山奥で呪っている場合は、殺す意志があろうと実際にわら人形で殺すことは不可能なので、罪に問われません」

 また、2015年に島根県で女性の顔写真を貼りつけたわら人形が、公園の木に刺さっているのが発見された。これは、侮辱罪か名誉毀損罪に問われる可能性がある。

「女性が直接目にして恐怖を感じる状況でなかったとしても、公共の場に置いたせいで、『こんなふうにされるほどひどい人だ』と周囲に伝わってしまう可能性があり、侮辱または名誉毀損にあたると考えられます。アイドルのアイコラ画像と同じ理論です。ちなみに丑の刻参りをすると不法侵入罪になる可能性も。多くの神社やお寺は、私有地にあたります。さらに私有地内の樹木に無断で樹木を打ちつけるのは、破壊行為とみなされ、器物損壊罪にあたる場合もあります」(落合弁護士)

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