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眼科医 「とりあえず経過観察」なら別の医師に診断を

眼科手術には知識のみならず高い技術も必要

 80歳では100%発症するといわれる白内障。手術をしないと治らないため手術が避けられないが、失敗した場合は視力が落ちてしまう恐れもある。信頼できる眼科医を選ぶにはどうすればいいか。

 15万件超という世界トップクラスの眼科手術実績を誇り、欧米の医師から“世界一の眼科医”と呼ばれる深作秀春・医師は「手術の実績を重視すべき」とアドバイスする。

「手術数が多い医師は、検査に携わる実績も必然として多くなる。眼科手術は精密な技術が求められるため、その前提となる検査にも正確さが求められるのです。研究熱心で手術を重ねる医師ほど腕が上がり、検査や診察の質も上がる。

 眼科医は検査・診察・手術が三位一体なのです。白内障なら累計で5000件以上、緑内障は300件以上の手術実績がある医師を私は推奨します。網膜剥離なら件数ではなく、成功率95%がボーダーラインです」(深作氏)

 ただし日本ではこの「検査・診察・手術」の三位一体を体現している医師は決して多くない。

「手術」に大きな技術の差が現われるのは納得だが、はたして「検査」の段階でも眼科医に「力量の差」が現われるのか──。

 本誌記者は都内の2つの眼科を実際に受診した。まずは某私鉄沿線の駅前にあるA病院。内科と眼科を併科しており、白内障などの外科手術を自院で行なう設備はない。手術が必要な際は近隣の大学病院への紹介を行なっているという。

 もうひとつは、ホームページ上で経歴に「白内障の累計手術実績、1万件以上」と掲げる院長が営むB病院だ。医師は「日本眼科学会認定専門医」で、勤務医時代には臨床経験を元に、角膜細胞に関する論文を書き上げ、医学誌に投稿したこともあるという。

 この両院に本誌60代記者が、取材目的を伏せて受診した。記者はすでに別の病院で「初期の白内障」との診断を受けているが、その事実を伏せて「目に不調がある」とA・B両院の受診で症状を説明した。

 A・B両院に共通する検査は「視力検査」「眼圧検査」「眼底検査」「屈折検査」の4つだった。「視力検査」は、健康診断でもお馴染みの検査だ。「眼圧検査」は、目に空気を吹きかけることで眼球内の眼圧を調べる。眼圧が正常値を超えると、緑内障が進行している可能性が高いとされる。

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