真っ先に挙げたい理由は、事件解決モノの連ドラが増えた影響。「『相棒』(テレビ朝日系)のヒットに続け」と、各局がこぞって事件解決モノの連ドラを作り、全体の約半数を占めるほど加熱した時期もありました。
これによって視聴者がさまざまな事件のタイプに慣れて、相対的に2時間ドラマ(特にサスペンス、ミステリー)の希少価値が急落。同時に、視聴者の見る目が厳しくなり、トリックや犯人の人物造形に「〇〇と同じ」「開始15分で犯人が分かった」などとツッコミが入るようになり、制作サイドを悩ませてきました。
また、「各局が1時間の連ドラを優先させている」ことも理由の1つ。今となっては忘れられがちですが、もともと『相棒』は『土曜ワイド劇場』で放送されていたシリーズ作であり、このように「2時間ドラマの良作が1時間の連ドラに吸収されている」のです。
その他、『刑事吉永誠一 涙の事件簿』(テレビ東京系)や、昨年放送された『スペシャリスト』(テレビ朝日系)、『女たちの特捜最前線』(テレビ朝日系)なども2時間ドラマ発の連ドラ。「2時間ドラマのヒット作は連ドラにされてしまう」という意味で、登竜門のようなポジションに格下げされている感があります。
◆録画機器と中高年視聴者の変化