また、一見、児童(乱太郎は一年生だが、10歳で、いて座のO型)主役のようだが、彼らと関わる「上級生」たちがなかなかの美少年。アニメ好き女子たちの隠れたアイドルにもなっているのである。
数年前、東京で開催された忍たま乱太郎企画展には、子供たちに交じって、多くの若い女性ファンが来場。乱太郎の担任の土井半助先生や剣豪先生の戸部新左エ門、忍術学園四年生の平滝夜叉丸(13歳)、斎藤タカ丸、田村三木ヱ門、六年生の立花仙蔵などわかる人にしかわからないイケメンキャラに注目が集まっていた。(ちなみに実写映画で土井先生役は三浦貴大、戸部先生は山本耕史が演じている)「萌え」要素もたっぷりなんですな。
一方、千年前のヘイアンチョウから現代にやってきた五歳のやんごとなきお子様を主人公にした『おじゃる丸』。こちらは動くのも風呂に入るのも嫌いというわがままおじゃる丸と世話係の虫デンボ、彼らを家族のように迎えたカズマ一家を軸にした物語だが、時にすごい「スペシャル」がある。
中でも反響が大きかったのは、終戦70年の2015年8月に放送された「わすれた森のヒナタ」。記憶のない少女ヒナタと知り合い、開けてはいけない扉を開けたおじゃる丸たちは「戦争」があったこと、その事実を知らなかったことを知る。この他、笹野高史がぼろい神社の柱の小さな芽になって、樹木が観てきた長い歴史を語る「満願神社は生きている」(2011年)など、命や人とのつながりについて何気なく考えさせられる名作も多い。
一方で『真田丸』のパロディ(?)や17歳の美少年おじゃる丸が現れたり、遊びもできる。笑ってもいい。泣いてもいい。萌えてもいい。二番組が幅広い層に支持され、長く続く理由はこれだ。