国内

籠池氏証人喚問 左上に目線がいく証言の意味するところ

証人喚問がさらなる謎を呼ぶ?

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、証人喚問の中継から籠池理事長の心理状態を読む。

 * * *
 学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長の証人喚問が参院・衆院予算委員会で行われた。堂々と腹の据わった受け答えに、いったい何が真実なのか、ますます混迷するばかり。そこで証人喚問での様子から、籠池氏のこの時の心理を分析してみよう。

 この日の籠池氏は、黒っぽいスーツに光沢のあるモスグリーンと黒のネクタイ姿。10日の記者会見で締めていた「俺は強い、お前らなんかに食われないぞ」というアピールともとれる恐竜模様(!)のネクタイではなく、さすがに落ち着いた服装だ。

 部屋に入ってきた籠池氏は、唇が見えなくなるほど口を真一文字にきつく結んでいた。非常に強いストレスを感じていたのだろう。席に座ると唇を指で触って気持ちを落ち着かせたが、すぐに口をすぼめ、口先をふくらませた。これは籠池氏がよく見せる仕草だ。質問への不満や言われたことへの不同意、相手の思惑への反感を表している。

 この仕草は、自民党議員が質問に立った時に多く見られた。安倍昭恵氏から、100万円を寄付されたと公言した籠池氏。それが嘘かどうかはわからないが、自民党議員たちは、籠池氏が偽証していると決めてかかり、その嘘をどうにか暴こうと躍起になっていたからだ。だが、これでは見えるものも見えなくなる。

 参院の証人喚問冒頭、山本一太委員長から100万円を渡された時の状況について聞かれ、籠池氏は言葉につかえ、何度も言い直し、言いよどんだ。封筒の中身を「その金子は」と言おうとして、生唾を飲み込み、目をつぶって頷くと、ようやく言葉を続けた。用意した書面を読み上げるのではなく、自分の言葉で述べる段になり緊張が増したのだろう。籠池氏が一番言葉につかえ、言いよどんだのはこの時だった。最初の質問に対する最初の答えだからこそ、様々な感情や思惑は表れやすい。

 言いよどみや言い直し、言葉の間が多くなるのは嘘の手掛かりとも言われる。100万円の寄付については、顧問弁護士と何度も想定問答してきたはずだ。嘘が見破られるかもという不安が高いと、いくら準備練習してきたとはいえ、うまく話せなくなることが考えられる。

 嘘を見破られることで利害が生じるため、見破られたくないと思ったのか、嘘をついていると疑われていることに不安や不満を持っていたのか? 真実を信じないことと、嘘を信じてしまうことは正反対であるが、この区別は簡単なようで難しい。

 手の挙げ下げの仕方では、籠池氏がそれをどれだけはっきり、自らの事実として覚えていたかがよくわかった。記憶に自信があると、すっと手を挙げ、さっと下ろした。総理秘書との会話について問われた際は、記憶が定かでなかったのか、手を挙げたまま立ち上った。昭恵氏に10万円の講演料をどう渡したかについては、ゆっくり手を挙げ「事実がわからない」と答えた。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン