柴咲:「やったー!」という感じです(笑い)。自分の性格的に、普段から何かをコントロールしたいという気持ちがあるんです。プロデュースしたいとか、客観的に見ていたいとか。そういう意味で、一同を見渡せるあの席は、すごくいいですね。
自分がそこに君臨して人を下に見るような、そういう席なのかと思っていたんですけど、全然そうじゃなくて。客観的にいろんな人の気持ちを汲みながら、探っていったり調整したりする席なんだなと気づきました。それが直虎で表現できたらいいなと思います。
──次郎法師から城主になった瞬間に、「我が井伊直虎である」と宣言しますね。
柴咲:昨年末くらいに撮ったんですけど、あまり記憶にないんです。スポンと役に入ると、どういう気持ちで演じていたのか思い出せないくらい、気持ちよくなるんですよね。城主になってからが、ある種、本編みたいなところがあるので、「やっときた」という気持ちはありました。
──視聴者に、城主になった直虎をどう見てほしい?
柴咲:直虎は当時では珍しく、女ながらに家督を継いで女領主になり、井伊のため、民のために生きるんだということを貫いていきます。そして、家の存続が大事ですから、次の世代に井伊家を繋いでいかなきゃいけない。その時代だから仕方がない、だけではないものを感じます。
【柴咲コウ(しばさき・こう)】
1981年8月5日生まれ、東京都出身。1998年女優デビュー。2000年に公開された映画『バトル・ロワイアル』に出演して注目を浴びる。2001年の映画『GO』で報知映画賞最優秀助演女優賞などを受賞。歌手としても、『月のしずく』などヒット曲多数。
◇NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』
毎週日曜、NHK総合20時、BSプレミアム18時放送。男が絶えた井伊家で、男の名で家督を継いだ女領主・井伊直虎を主人公とした物語。幼いころに約束を交わした許嫁への一途な愛を貫いて、戦国を生き抜いた女の激動の生涯を描く。森下佳子オリジナル脚本。