柴咲:立場は違えども、今の自分とリンクするところはあります。次郎法師までは、大袈裟にいうと『ドラえもん』のスネ夫みたいに、虎の威を借る狐のようなところがあったけれど、直虎になるとそれがまったくできない。どうやってみんなを盛り上げていこうかと、自分で考えて、決断しなればいけません。
撮影が進んで、私も、スタッフの人たちも慣れてきて、でも疲れも出てきたなか、座長として、もっとみんなを盛り上げたいという気持ちが強くなっているんです。でも、どうやっていいのか、一人っ子気質の甘い部分が出てしまって(笑い)。現場で学んでいくのかなって感じがします。
──城主になることで、心境の変化は?
柴咲:これから見てもらうということにおいては、心配していません。軸となるのが脚本なので、そこに書かれている表現、空気感というのが、やっぱり面白いんですよね。12回、13回と、城主になるというのも自然に演じられました。
──人知れず人の役に立つという伝説の竜宮小僧。柴咲さんも誰かの竜宮小僧なりたい?
柴咲:そうですね、目に見えるだけの狭い世界ではないはずだと思っているから。たとえば、音は目に見えないけど、耳には届いていますよね。感覚的なものを信じているから、私はこの仕事をしているんだと思います。直接会う機会がない人にもメッセージを届けられる、誇りと希望を持っているので、そういった部分を最大限に出していきたいです。
──直虎と小野政次(高橋一生)との関係性が変化していきますね。
柴咲:城主になった後ですけど、政次と直虎の関係性は大きな変化を迎えます。政次は天涯孤独的で、宿命のようなものを背負って生きているところがあるんです。そこが変化していく大きなポイントになるのが、18回です。2人で魂をぶつけた、体当たりのお芝居になっています。高橋一生君を見ている女性たちは、「政次ー!」ってなると思います(笑い)。
──城主になって、初めて城主の席に座った時の気持ちは?