とくに、この安邦保険のトップは中国の「改革開放の祖」トウ小平の孫娘の夫でもある呉小暉氏であることが分かっており、同保険は多額の資金を投じて、米国有数の保険会社やホテルなどを買収。同社がクシュナー不動産主導の開発計画について交渉していることが報じられると、米民主党の国家議員5人が連名で、ホワイトハウスに対して「道義的な懸念」を表明するなど、反響を呼んでいる。
『SAPIO』2017年4月号で、この問題を報じた中国問題に詳しいジャーナリスト、相馬勝氏は「安邦保険はクシュナー側に4億ドル(約480億円)もの資金を拠出する予定だったと伝えられており、クシュナー側にとっては喉から手が出るほど欲しかっただろう。
だが、そうなれば、ただでさえ風当たりが強いトランプ政権が政治的に批判にさらされることにもなりかねず、クシュナー側が泣く泣く交渉を打ち切ったのではないか。中国側は今後も、あの手この手でトランプ政権への食い込みを図るとみられる」と指摘している。