各局のワイドショーを騒がせた「森友学園」問題では、専門家として政治ジャーナリストや政治評論家たちも登場したが、こんな違和感もあった。
情報番組に引っ張りだこだった元TBS政治部記者の山口敬之氏が、安倍昭恵夫人が籠池夫人と交わしていたメールについて、
「最後のメールは昭恵夫人なりのお別れのメッセージ」(テレ朝系『モーニングショー』・3月20日放送)
昭恵夫人付きの職員が籠池氏に送っていたファックスについては、
「谷(査恵子氏)さんのファックスは非常に完璧な答えだったよね、というのが内閣府と官邸の受け止めなんですね」(フジ系『直撃LIVE グッディ!』・3月29日放送)。
まるで政府の代弁者かのように昭恵夫人や内閣府、官邸の感情を語るのだ。こうした事態には、元テレビマンたちも失望をみせる。元日本テレビ政治部長で、日本大学客員教授の菱山郁朗氏はこう言う。
「ネットを含め情報があふれているから、今の記者はそうした情報を運ぶだけの“ポーター”になっている。取材で疑惑の本丸を追及すべきが、足で稼いだネタがないから、コメンテーター頼みの番組作りになっているのです。ワイドショーは芸人のネタ披露の場ではないのです」