元NHKヨーロッパ総局長の大貫康雄氏も、こう指摘する。
「日本は情報閉鎖国家で、海外の報道番組がどう作られているかをまったく知らない。欧州なら隣国の報道と比較できるし、米CNNでは、たとえば、トランプ陣営―反トランプ陣営と対立する両陣営を呼んで、意見を戦わせる。日本では民間人である籠池氏をよってたかって叩き、政府による問題のすり替えに乗っかっている。これは深刻な問題だと思います」
ネット番組「ニューズオプエド」のプロデューサー・アンカーを務めるメディアアナリスト上杉隆氏は、日本のテレビでこうした問題が起きる原因をこう分析する。
「政治評論家は官邸に忖度し、コメンテーターは、同じ番組に出ている政治評論家に忖度し、インテリ芸人もコメンテーターに忖度して話が違った方向に行きかけると、引き取って茶化してにごす。政府の圧力なんて何もないのに、忖度の積み重ねで結果として政府の言いなりの番組になっていくわけです」
いっそ、コメンテーターがいなくなれば、テレビも少しはマシになるのかもしれない。
※週刊ポスト2017年4月21日号