今春、クイズ番組が増える理由が、視聴者ニーズではなく、テレビ局の事情によるところが大きい以上、ブームの再来は期待できそうにありません。ただ、「正解が複数」「東大との対戦」「生放送」などのトピックスを立てて差別化を図っているので、ファミリー層やクイズ番組が好きな人は十分楽しめるでしょう。
最盛期の1990年代、10~30代の若年層はクイズ番組に熱中していました。現在の10~30代がネット中心の生活を送っている以上、ネットを使った視聴者参加型のクイズ番組は避けて通れないところ。これまで実験的な番組があったものの、本格導入に至りませんでしたが、今後はその成功がブームの再来につながる気がします。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。