芸能

岡田准一 好きな作家は漫画『BLUE GIANT』の石塚真一氏

「岡田さんが抱えているものを出し惜しみせず、全部出してください」

『駅 STATION』『夜叉』『鉄道員』など数多くの名作を世に送り出してきた降旗康男監督と木村大作キャメラマンにそう言われて臨んだ映画『追憶』(5月6日、全国東宝系にてロードショー)の撮影。普段感情を表に出すことを抑えてきたという岡田准一がそれに応えるべく本気になったこととは。

 追憶とは過去に思いをはせることだが、岡田にとって印象深い“過去の記憶”とは、意外なものだった。

「どうでもいいことを覚えていて、クスッと笑ってしまうことがあります。幼い頃、姉貴と2人で新幹線に乗って『プリンが食べたい』って言ったとかね」(岡田・以下「」内同)

 そう笑う岡田准一。そんなヘンな記憶があるのに、最近本を読んで「いい言葉だな」と心のメモに取った素敵な言葉を忘れていたりするという。

 かたや忘れられない、幼少期の悔しい記憶もあるという。

「木の幹は茶、葉は緑と目に映るまま、ぬりえで色を塗るタイプだったんです。でも、独自の感性で木の幹を黄色に塗れる人たちっているんですよね。カップを写生する時に、それを持ち上げた自分の手まで入れて描けちゃうとか。そういう自由な人になりたいと憧れて、でもぼくにはなれないというのが子供心にわかっていて。

 いざ芸能界へきたらそういう人ばかりで、『自分は普通だ』と悔しくなることも昔はありました。感情にしてもワーッと解放するより抑制するタイプで、出すのが得意じゃないんですよね」

『追憶』は、幼なじみの3人(岡田、小栗旬、柄本佑)がある殺人事件をきっかけに、刑事、容疑者、被害者というかたちで25年ぶりに再会し、過去への思いや記憶が複雑に交錯しながら展開するヒューマンサスペンス。岡田は、「内に込めるようで、感情を吐き出す」刑事を演じた。

「降旗(康男)監督には『抱えている感情をできるだけ出してください』という言葉をいただき、監督の演出意図を汲み取ろうと、現場では常に模索していました。監督へのラブレターの気持ちで芝居していたんです」

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン