また、「時間をかけて情報を小出しにしながら関心を集め、期待感をふくらませる」という広告業界のプロモーション手法をドラマに採り入れているという側面も考えられます。

 たとえば、第1弾としてあらすじとメインキャストを発表したあと、第2弾でクランクインのレポート、第3弾でサブキャスト、第4弾で主演とプロデューサーのロングインタビュー、第5弾で大物ゲスト……。このように情報を小刻みに発表していくと、視聴者の関心を集め、期待感をふくらませるだけでなく、テレビ誌、スポーツ新聞、ネット媒体などを繰り返し賑わせることができます。

 同時に、早く発表した分、番宣のチャンスが増えるのも大きなメリット。メインキャストがバラエティー番組などに出演するたびに番宣のチャンスが生まれますし、『先に生まれただけの僕』のように放送開始までの期間が長いほど、その機会は多くなります。もちろん、あからさまに番宣を繰り返すと、視聴者に嫌われてしまうので注意しなければいけません。

 最後にもう1つ挙げておきたいのは、テレビ局内部の事情。早期の発表には、「自局で現在放送中のドラマに影響を与える」という意味もあると聞いています。

 たとえば、「日テレのドラマは面白いよね。何かやってくれそう」という全体のポジティブな印象づけ。あるいは、「視聴率が低迷しているから、景気のいい新番組の発表を流そう」というイメージのリカバー。さらに、「日テレの土曜22時は、春に亀梨和也さん、夏に錦戸亮さん、秋に櫻井翔さんなんだ」という流れの理解促進。「お互い負けないように頑張ってほしい」というスタッフやキャストへの激励などが考えられます。

◆すべてテレビ局とキャストの事情

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン