「今のように、LINEで気軽に“明日どこ行く? 何着る?”と相談できる時代ではなく、デートの1週間前から、“日曜は映画を見るから、10時にハチ公ね”などと固い約束をする時代。そこでペアルックをするのは、相当綿密な打ち合わせが必要。その苦労がわかるから、『あのカップル、頑張ってるな』『今のままずっとアツアツでいられるといいね!』と周りも見守っていました」
◆LINEもメールもないからこその本命感
東京都の主婦・田中涼子さん(仮名・52才)は、大学生だった1985~1986年頃を思い出しながら懐かしむ。
「恋人だった主人とお揃いのスタジャンをよく着ていました。同じ紺で、それぞれ相手のイニシャルの文字を胸に刺繍して(笑い)。そういえば高校時代も制服の中のトレーナーをお揃いにしたり、『リーガル』のサドルシューズを揃えた友達カップルがいたなぁ。高校生ではかなり背伸びしていたはずだけど、お互いへの気持ち、本命の証というか。当時は今より“ステディー”の感覚も強かったですからね」
しかしバブルが弾け、不景気になると、社会のムードとともにファッションもおとなしめに。あからさまなペアルックは“ダサい”と敬遠されるようになっていった。
※女性セブン2017年6月8日号