「いちばんのターゲットは彼らが最も敵視するアメリカの大使館(東京・虎ノ門)でしょう。実は、そこにアメリカの情報機関CIAの下部組織『中近東分析室』があり、イスラム国の情報分析を行っています。しかし、最近のテロでは政府や軍の施設といった警備が厳重な“ハードターゲット”ではなく、劇場やカフェといった一般市民が集まる“ソフトターゲット”が狙われる傾向があります」(公安関係者)
なかでも当局が警戒しているのが走行中の新幹線を狙った爆弾テロだ。
「上り列車と下り列車のすれ違いざまに先頭車両で爆弾を爆発させれば、2つの列車が同時に脱線する。猛スピードで走る新幹線だけに、膨大な数の被害者が出るのは避けられません。日本では火器銃器の使用は難しいが、爆弾の製造は簡単です。材料は街中のドラッグストアで簡単に購入できるし、製造方法はネット上に公開されていますから」(前出・公安関係者)
英仏海峡高速列車『ユーロスター』では、空港と同様に手荷物検査やX線検査が行われている。ご存じのように、日本の新幹線にはそのような検査はない。
「実際に、2002年に過激派組織アルカイダの関係者が逮捕された際、関係先から新幹線の運行システムに関する資料が見つかっています。標的の1つとしていたと考えられます」(前出・公安関係者)
東海道新幹線の定員は16両編成で1323人。もしすれ違いざまが狙われれば2000人以上、旅客機5機分の乗客の命が危険に瀕することになる。東京五輪を控え、世界から注目を浴びる日本は、ますます狙われやすい。テロは決して対岸の火事ではない。
※女性セブン2017年6月22日号