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【著者に訊け】D・インストール『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

デボラ・インストール氏が『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を語る

【著者に訊け】デボラ・インストール氏/『ロボット・イン・ザ・ガーデン』/小学館/850円+税

 ある朝、そのロボットはどこからともなくベンの家の庭にやってきた。二つの箱を重ねた、まるで〈学校の工作作品みたいな〉旧式の小さなロボットは、ぼろぼろで、〈あちこち、へこみだらけだし、内蔵のシリンダーにもひびが入ってる〉。

 妻で法廷弁護士のエイミーは、家事をやってくれる高性能のアンドロイドならほしいが、役に立たないロボットなんて要らないと言い、仕事も探さず、そのタングという名前のロボットにかまけているベンに愛想をつかして家を出ていく。あとに残されたベンは、タングを修理してくれる人を探して、ロボット連れの旅に出る。34歳のベンは〈生まれて初めて何かを成し遂げ〉ることができるのか──。

 デボラ・インストールさんのデビュー作『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は、フランスやドイツ、イタリア、スペイン、トルコ、タイなどでも翻訳が進み、昨年6月に翻訳が出た日本でも、「タング」のかわいらしさが評判になって次々、版を重ねている。本のカバー絵は酒井駒子さん、書店の店先でも、本と一緒に手作りのロボットも並べられていたりする。

「世界中で読まれるなんて、書いているときは想像もしませんでした。いろんな国でいろんなタングがビジュアル化されていますが、日本のタングほど私が思い描いていたのとぴったり重なるものはないので、びっくりしています」

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