「もし仮にこういう設定があったとしたら」「もし仮にこんな人物がいたとしたら」といった、人間関係の化学変化を観察する実験場のような楽しみ方が、ドラマにはあるはずです。
例えば、アメリカで大ヒットし世界中で視聴されたドラマ『デスパレートな妻たち』。一見平和なご近所の妻たちの日常に驚くべき「毒」の数々が潜んでいて、嫉妬にケンカ、自殺に浮気、放火……ありとあらゆる混乱した出来事がサスペンス、時にユーモラス、時にシリアスによって描き出されていました。そして底流にはいつもふっと笑ってしまうコメディタッチが。
そう、秀作とはシリアスもコメディも含みこんだ深いものなのではないでしょうか?
回を追うごとに『あなそれ』の注目度がぐんぐん上がってきているのも、そうした不思議なドラマ世界の面白さを味わう人が増えたからでは?
「俺は誰かに愛されたいと思うほど欲深くありません」(第8話)というセリフなんかまさにシリアス。人生訓を感じさせて深いものがありました。残すところ2話のみですが、先が読めない展開にワクワク。最後までその疾走ぶりをとくと見届けましょう!