明らかに仕事は増えていますし、ファンから求められるうれしさもあるでしょう。しかし、彼女たちは、「全国・全世代への知名度が上がらない」「ソロのオファーが少ない」「芸の幅が広がらない」という不安と戦っているはずです。
運営サイドにしてみれば、2期生・3期生を育てることでグループのイメージを保つことはできるでしょう。しかし、着々と年齢を重ねる1期生メンバーにとっては、グループばかりではなく、自分のことを考える時期に差しかかっているのかもしれません。ただ、乃木坂46のメンバーには、他のアイドル以上に女性ファンが多いこともあり、さまざまな可能性が広がっているとも言えます。
現在絶好調だからこそ、透けて見える彼女たちの不安。表面的なイメージだけでなく、そんな内面にも注目すると、より乃木坂46のメンバーが魅力的に見えるのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。