東京商工リサーチによると、上場企業の社長で最も多いのは慶應卒。2位の早稲田、3位の東大を大きく引き離して1位に君臨している。トヨタ自動車の豊田章男社長をはじめ、サントリーHDの新浪剛史社長、星野リゾートの星野佳路社長などの有名社長に加え、丸紅、電通、キッコーマン、出光興産、中部電力、永谷園HD、東京海上HD、キリンHDなど、多くの大企業で慶應出身者が社長の椅子に座る。
その背景には、慶應の卒業生(塾員)によって構成される同窓会組織「三田会」の結束力がある。キャンパスのある地名に由来を持つこのネットワークは、卒業から何年経っても慶應OBにとっては大きな力となるという。
フジテレビの新社長に内定した宮内正喜・次期社長も、三田会への思い入れが強いようだ。
「慶應の入学式に行なわれる『卒業50年塾員招待会』に出席するため、当時社長を務めていたBSフジの入社式のスケジュールを変更した、と言われています。それほど慶應のOB会に出ることを大切に考えていたようです」(フジテレビ関係者)
前出の経済部記者は、宮内氏は決して特別な例ではないと言う。
「企業の重要なポジションに近い人物ほど、慶應のOBが集まる三田会を重視しています」
年を重ね、役職が上がるほどに効いてくるのが、三田会の強みである。