元労働者の中には、契約が終われば全額払うと約束されて日本で働きながら、賃金の20%しか受け取れなかった人もいます。残額の受け取りは終戦の混乱でうやむやになってしまいました」
確かに終戦の混乱の中で賃金の未払いが発生したケースが少なからずあったとされる。だが、1965年の日韓国交正常化の際の請求権協定で、全ての補償は韓国政府が一括して受け取り、個人補償は韓国政府が代わって行うことで日韓双方が合意しており、補償問題は「完全かつ最終的に解決」したとされた。国際法上は、日本企業が支払いに応じる根拠はない。
だが、連合会では協定を「被害者である元労働者らを苦しめるだけの屈辱的なものだ」として認めない。
連合会が徴用工像の設置と並んで力を入れているのが、徴用工への未払い賃金の支払いに応じようとしない日本の「戦犯企業」のうち韓国国内に拠点を持つ企業へのデモ活動だ。昨年は、5月と6月の2回にわたり慶尚北道にある日本の化学メーカーの工場前に数百人が集まりデモを行った。
デモの様子を写した写真を見ると、安倍晋三首相をかたどった人形の首に縄が括りつけられたり、日本兵に扮した人物らに手錠がかけられたりするパフォーマンスが行われたようだ。