百貨店や輸入品の国内販売特約店は、輸入品の定価の60~80%のマージンを上乗せして売っている。つまり、現地仕入れ価格の3~5倍の定価を付けていたわけで、売れ残った商品をバーゲンセールやアウトレットで3~5割引きで売っても損しないほど大きなマージンを取っていたのである。その構造が「マージン10%+物流・通関料だけ」のバイマによって急激に崩されているのだ。

 また、メルカリの台頭は従来のフリマサイトだけでなく、リユース業者にも打撃を与え始めている。今まで消費者は不用品をリユース業者に二束三文で売り払っていたが、メルカリを利用すれば、もっと高い値段で売れることに気づいたからだ。『週刊東洋経済』(5月13日号)によれば、昨年の夏以降、大手リユース会社の既存店売上高が前年割れになっているという。

 消費者にしてみれば、メルカリなら家にある“不良在庫の山”を簡単に処分できる上、そのお金でまた新しいものが買えるので、まさに一石二鳥である。

 今のところはメルカリで現金やライブチケットが出品されたり、アマゾンで詐欺が社会問題になったりしているが、そうした不正行為も購入者のレピュテーション(評価)や事業者側の規制などによって、いずれ淘汰されるはずだ。

 もはや、この「CtoC」「パーソンtoパーソン」の流れは止まらない。「個」が世界を動かす時代の象徴の一つとなるだろう。

※週刊ポスト2017年6月30日号

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