百貨店や輸入品の国内販売特約店は、輸入品の定価の60~80%のマージンを上乗せして売っている。つまり、現地仕入れ価格の3~5倍の定価を付けていたわけで、売れ残った商品をバーゲンセールやアウトレットで3~5割引きで売っても損しないほど大きなマージンを取っていたのである。その構造が「マージン10%+物流・通関料だけ」のバイマによって急激に崩されているのだ。

 また、メルカリの台頭は従来のフリマサイトだけでなく、リユース業者にも打撃を与え始めている。今まで消費者は不用品をリユース業者に二束三文で売り払っていたが、メルカリを利用すれば、もっと高い値段で売れることに気づいたからだ。『週刊東洋経済』(5月13日号)によれば、昨年の夏以降、大手リユース会社の既存店売上高が前年割れになっているという。

 消費者にしてみれば、メルカリなら家にある“不良在庫の山”を簡単に処分できる上、そのお金でまた新しいものが買えるので、まさに一石二鳥である。

 今のところはメルカリで現金やライブチケットが出品されたり、アマゾンで詐欺が社会問題になったりしているが、そうした不正行為も購入者のレピュテーション(評価)や事業者側の規制などによって、いずれ淘汰されるはずだ。

 もはや、この「CtoC」「パーソンtoパーソン」の流れは止まらない。「個」が世界を動かす時代の象徴の一つとなるだろう。

※週刊ポスト2017年6月30日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン