国内

除菌・抗菌グッズの流行でアレルギーの子供が増えたか

アレルギーの子どもが増えた理由(写真/アフロ)

 腸は単なる便の製造機ではない。うつ病、がん、アレルギー、肥満など、一見腸とは関係ない病気を予防する役割もある。東京医科歯科大学名誉教授で感染免疫学者の藤田紘一郎さんはこう話す。

「腸の役割は多々ありますが、大切なのは2点。1つは、酵素、ビタミン、ホルモンを作ること。特に、腰痛を予防するビタミンB1や美肌に効果的なビタミンB2、血液凝固作用があるビタミンKは、腸内でしか作れません。また、酵素とホルモンも、大部分が腸で作られます。特に、精神を安定させて幸せな気分にするホルモンのセロトニンは9割が腸で作られています」(藤田さん・以下同)

 これまでセロトニンは脳で作られていると考えられ、うつなどの心の病気は、脳に作用する治療がなされてきた。しかし腸で作られていることがわかり、今後、心の病気の治療法が変わるといわれている。

 そしてもう1つの大切な役割は、免疫機能の7割を担っていること。腸が元気なら免疫作用が働き、がんやアレルギーなどを抑制できるのだ。

 口から肛門までは1本の長い消化管で繋がっていて、入口からは栄養素と病原体が一緒にのみ込まれる。ここで、体にいいものを入れ、ダメなものを追い出す“門番”になるのが、腸の免疫機能だ。

 腸は敵を追い出す最後の砦のため、ここに兵力である免疫機能のほとんどが投入されているというわけだ。しかし、この門番が疲れているとウイルスなどが入ってきてしまう。だから腸の健康こそ、体の健康に直結するのだ。

 腸が疲弊することで発症する怖い病気が発見された。それが、腸に細かい穴が開く、リーキーガット症候群だ。

「腸内細菌が充分に機能しないと腸は粘膜を正常に保てなくなり、腸粘膜に穴があきます。すると腸から食物の分子や腸内細菌、病原菌などが体内にもれ出る。私はこれを“腸もれ”と呼んでいますが、これが食物アレルギーの原因になるといわれています。過剰なダイエットや大量の飲酒、ミネラル不足、ストレスも腸を弱らせます。これを治すには、腸内細菌を増やすのが効果的です」

◆3才までに触れたもので腸内細菌の種類が決まる

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン