地震学会に「門外漢だから」と無視されながらも、測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授の『MEGA地震予測』は着実に実績を積み重ねてきた。最新データが指し示す2017年後半に最も注意すべき地域をレポートする。
大きな揺れは、常に地震への警戒を怠ってはいけないことを思い起こさせた。6月25日午前7時頃、長野県南部を震源とする地震が発生し、同県木曽町三岳と王滝村鈴ケ沢、王滝村役場で最大震度5強が観測された。犠牲者こそ出なかったものの、屋根瓦が落下し、落石や断水、道路亀裂など甚大な被害が出ている。
本誌・週刊ポストは村井俊治・東大名誉教授の「MEGA地震予測」を定期的に掲載してきた。前回の1月13日・20日合併号では、今回の大地震を予感させるデータが示されていた。今回の地震で最大となる震度5強を記録した「三岳」が、「7.09センチ」の大きな上下動があった「異常変動点」としてマップ上に示されていたのである。
加えて隣県の岐阜県で〈周辺と異なる動きが見られる〉ことにも触れ「北陸・北信越警戒ゾーン」として注意を呼び掛けていた。
「MEGA地震予測」のベースとなっているのは、全国1300か所に設置された国土地理院の「電子基準点」のGPSデータである。そのデータをもとに地表のわずかな動きを分析し、1週間ごとの基準点の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」(上下動)、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の3つの指標を主に分析することで、地震を予測する。