現役時代は巨人で名遊撃手として活躍し、指揮官となってからはヤクルト、西武を3度日本一に導いた広岡達朗氏も苦言を呈す。
「批判すべきはきちんと批判し、どうすれば球団や選手が良くなるかを報じるのが本来のメディアの役割じゃないですか。選手のほうだって昔は、アナウンサーからつまらない質問をされたら、答えなかった。巨人の選手は取材者から“生意気だ”と思われるくらいでないといけなかった。昔はそれくらいの緊張感が常にありました」
どう報じられるかわからないという緊張感があれば、簡単に涙など流せないはずだという指摘でもある。
一昨年は大不振に陥った村田修一(36)が同年7月10日の阪神戦で71日ぶりにホームランを放ち、お立ち台で球場へ息子が観戦に来ていたことに聞き手に振られて涙ぐむなど、歓喜にむせぶ“ハードル”が年々低くなっているように見える。
「今の野球を見ていると、バントに成功しただけでベンチでハイタッチしとる。高い給料もらっておいて、イチイチ喜ぶようなことじゃないだろ!」
そう憤るのは400勝投手・金田正一氏である。