しかも、AIIBに至っては、ようやく5月に初めてインドへの融資を承認したというお粗末な状況だ。報道によれば、世界銀行とともに1億6000万ドルを融資し、アーンドラ・プラデーシュ州の送電・配電システムをグレードアップする無停電電源装置プロジェクトをサポートするそうだが、100兆円の出資金を集めたAIIBの第1号案件としては実にしょぼい。
かたや「一帯一路」構想のシルクロード基金は1兆5000億円積み増した上でやっと4兆5000億円だ。AIIBの100兆円に比べれば“誤差”のようなものである。前述した国際フォーラムでも、公正さや透明性に問題があるとして、欧州各国が共同声明への署名を拒否したという体たらくなのである。
※週刊ポスト2017年7月14日号