「1970年代後半にはすでにモザイクなしのビデオが存在していましたが、暗い内容の作品ばかりで評判があまりよくなかった。そんななか登場した『ケンちゃん』は、明るくコミカルな内容が受け入れられて爆発的にヒット。10万本を売り上げた」
1990年代に入ると、裏ビデオは形を変えて復活したと藤木氏が続ける。
「それまでの裏ビデオは“モザイクなし”を前提に、半ばアマチュアの集団が撮影していた。しかし、バブル崩壊でAVメーカーの倒産が相次ぐと、モザイク処理をする前のテープが流出。有名AV女優たちの無修正動画が、“裏ビデオ”として流通し始めたのです」
2000年代になると、日本の法律が届かない海外で作られたものが“逆輸入”されてくる。一時代を築いたのが在米企業の「Xオンエア」だ。日本のAV関係者から人気女優のモザイク処理前動画を買いつけ、DVDにして裏ビデオ店で販売した。その後、裏ビデオはDVDからインターネットに住処を移し、現在に至る。
「VHS時代の裏ビデオから最新の無修正動画までもが『XVIDEOS』や『xHamster』といった無料動画サイトにアップされるようになった。それらの違法アップ動画は画質が悪いものが多いため、『有料で高画質な無修正動画を提供しよう』というビジネスも盛んになり、『カリビアンコム』などの有料無修正サイトが登場してきました。そうした中で無名女優や一般女性の動画だけでなく現役の人気女優や伝説的な女優の作品もサイト上に出現しています」(前出・尾谷氏)