女性陣の関心が高いのは、「前妻との別れ方」だ。「奥さんとはどういう形で別れたんですか? 離婚? 死別?」と、直截的な質問が飛ぶ。ある男性が、「性格が合わずに離婚しちゃって……」と答えると、女性は「私も。死別は亡くなった相手に愛情が残るっていうけど、離婚は大丈夫っていいますからね」と相槌を打った。別れ方に性格や考え方が滲み出ると考えている女性は多いようだ。
「相手が再婚を求めているかどうか」は男女共通の関心事だ。70代男性が言う。
「再婚となれば、『相手の家族からどう思われるか』が大きな問題になる。私は再婚希望ですが、この会への参加は子供に告げていませんし、一緒に老後を過ごしたい女性と出会うまでは言う必要もないと思っています。意中の女性がいても、再婚の希望を伝えると『家族に白い目で見られたくない』と断わられることもある。なかなかうまくいきませんね」
再婚を望む参加者は、「お子さんはいらっしゃる?」「再婚についてご家族はどう考えていますか?」と繰り返し質問していた。
一方、資産や貯蓄など「カネの話」や、健康状態に関する話題はほとんど聞こえてこない。「老老介護とか色々聞きたいことはあるんですが……。初対面でそこまで話すと暗くなってしまう。まずは楽しい時間を過ごしたい」(前出・萬田久子似の60代女性)
「この歳になって、相手の細かいことを根掘り葉掘りして“小さい男”と思われたくない」(70代男性)などというのが本音のようだ。
自己紹介の回数を重ねるにつれ、パーティーは熱を帯びてきた。4分間の終了を伝えるベルが鳴っても席を移動しない参加者も現われ、司会者が急かす場面もあった。