新施設の集客目標は2年間で100万人、1日換算1500人と強気だ。いや、実は新宿だけではない。何とこの夏、ロンドンに海外一号店を出す、と聞いて驚いた。
「思わず体をよじってしまう、取り乱してしまうというのは万国共通。VRは言葉を超える遊びになるはずです。弊社は『VR ZONE』というフォーマットのもとに機器、ソフト、サービス等運営ノウハウを組みあわせて提供する新ビジネスを、国内外で展開していきます」
ロンドンは、その第一歩にすぎない。
昨今のヒット商品ランキングを眺めていると、あることに気付く。モノの姿が減り、コトや体験の存在感がぐんと増している。欲しいモノすべてを手に入れてしまった消費者の欲望は今、これまで経験したことの無い「コト」へと向かっている。
そうした消費新時代の最先端の姿を「VR ZONE SHINJUKU」は鋭く象徴している空間だった。
【PROFILE】やました・ゆみ 五感、身体と社会の関わりをテーマに取材、執筆。日経新聞で海外ドラマ評、ネットでメディア批評コラムも執筆中。7月に『なぜ「近大発のナマズ」はウナギより美味いのか』(光文社)を刊行。他に『広島大学は世界トップ100に入れるのか』(PHP新書)等著書多数。江戸川区景観審議会委員。
※SAPIO2017年9月号